arimahamaの日記

アメバから引っ越しました。

オートファジー1218日目と「フリーメーソンと錬金術」②

2025/1/12日曜日

6時に起床しベランダガーデニングの水やり。

子供らの朝食と昼食、おやつのクッキー作りを済ませたら、読書と調べ物。

 

 

昨日に引き続き吉村正和著「フリーメイソン錬金術ー西洋象徴哲学の系譜ー」

 

12世紀から14世紀に掛けてアラビア錬金術は怒涛のようにヨーロッパに流入
12世紀中頃にスペインのトレドにアラビア語からラテン語への翻訳を行う翻訳所が設立された。

1144年にチェスターのロバートによってモリエヌスの「錬金術の構成」が翻訳され1200年頃までに錬金術の古典「エメラルド板」のラテン語への翻訳が成された。

13世紀には錬金術に造詣の深いドミニコ会修道士アルベルトゥス・マグヌス、その弟子にして中世最大のキリスト教神学者トマス・アクイナス、思弁的錬金術と実践的錬金術を分けて錬金術における実験的な側面を強調したフランシスコ会修道士ロジャー・ベーコンが活躍。

13~14世紀に掛けてはアラビア錬金術が最高潮。
葡萄酒を蒸留してアルコールを抽出したアルノルドゥス・ド・ウィラノウァ、イギリスのエドワード三世の求めに応じロンドン塔で金の精製に従事したライムンドゥス・ルルス(ラモン・ルル)などが居る。

14~15世紀は中世フランスに於ける最大の錬金術ニコラ・フラメル
また、「アンチモンの凱旋軍」の著者として有名なバシリウスウァレンティヌスなとが活躍。
15世紀にはイギリスでも。
ジョージ・リプリー、トマス・ノートン、トマス・チャーノックなどの錬金術師が現れる。
そして、満を持しパラケルスス(テオフラストゥス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイム)が登場。
彼はスイスのアインジーデルンに生まれ、ヨーロッパ全土に及ぶ遍歴を続けながら独自の医学を創出。

ガレノスやアヴィケンナなど古代の医学に於ける権威を否定。

経験と観察を重視する錬金術医学。

医学の根拠を書物から自然そのものに移し代える。
パラケルススは自然の中に医学だけでなく学問全体の秘鍵が隠されているとし、錬金術は聖書を再確認する重要な手段と捉えていた。
パラケルススは全ての存在には「生命の精気」があり、この精気を「化学的練達によって一切の生ある物から抽出し、応用・保存する」事が可能とした。

その結果「特殊な治癒力を持つ第五元素」が生まれると考えた。

↑全ての医師や研究者がこの心を持っていれば薬害は起こらなかっただろうに。


16世紀初頭に薔薇十字団が初めてその姿を見せるとドイツ、フランス、イギリスを中心に熱狂の渦を巻き起こした。

薔薇十字団に関する賛否両論の夥しい文書が刊行された。

「名声」と「告白」は匿名で出版。

化学の結婚」を含め深く関わったとされるのがルター派牧師ヨーハン・ヴァレンティン・アンドレー。
彼の周辺にはクリストフ・ベゾルト、トビアス・ヘス、トビアス・アダミ、ヴィルヘルム・ヴェンゼなどを中心とするチュービンゲン大学のグループ。

↑チュービンゲン大学と言えばパラケルススの父ヴィルヘルム・ボムバスト・フォン・ホーエンハイムが医学を学んだところや。
中国では辰砂を加熱して水銀を採取する方法が古来知られていただけでなく、丹、即ち不老不死の霊薬としても知られていた。

辰砂は加熱すると白い水銀となり更に加熱すると赤い辰砂に還る。

この赤から白への色彩変化を含め、錬金術に於ける物質変容を示す格好の根拠としてアラビア錬金術に取り込まれた。

錬金術に於けるエリクシル(錬金霊液)の概念はこの不老不死の霊薬としての辰砂を起源とする。
アンリ・マスペロは4世紀初めの中国の道教思想家葛洪の「抱朴子」を典拠として辰砂を加熱して水銀に変え、更に水銀を辰砂に還す作業を9回繰り返すとそれを服用する者を3日で永生者にする丹が精製されると指摘。
リクシルと並んで錬金術の最も重要な概念とされる賢者の石も中国起源。

恐らく神仙(=賢者)の丹(=石)に由来。賢者の石は賢者の水銀とも呼ばれるが古来、水銀アマルガム法として知られる金の精製法と密接な関係があるのかもしれない。
水銀には常温で液体という性質があるだけでなく、様々な金属と容易に結合して合金となる性質がある。

この性質を利用して、まず、金鉱石や銀鉱石に水銀を加えて合金(アマルガム)を造る。
次に、この合金から水銀を分離する事により金や銀を精製。
水銀の金銀を精製する力への信仰が卑金属を貴金属に変成する賢者の石の概念へと発展していったのでは。
硫黄と水銀が錬金術に於いて特別な元素として位置づけられているのは辰砂が硫黄と水銀から構成されているから。特に常温に於いて液体である唯一の金属である水銀は人々の関心を呼び起こしアラビアではジャービル以後の錬金術の象徴的な物質となる。
硫黄=水銀理論、賢者の石、エリクシルという錬金術の基本概念は何れも中国を起源とする。

↑何と起源は中国だった。

辰砂は日本でも古来弥生時代より高貴な赤を生む鉱石として珍重された。

顔の装飾にも使用され貴人を葬る際にはプラス防腐剤の役目もした。

自分は徳島の辰砂採掘遺跡を見に行った事がある。

採掘は危険な行為で従事者は早死にしたそうだ。

なので、鉱山の所有者は自分の息子にはやらせず、娘の婿に事業をやらせた、と資料にあった。

その昔、辰砂が採れた場所は「丹」の地名が付けられたそうだ。

恐らく大陸からの移住者がもたらした知識だと思うが、辰砂は日本でも活用されていた。

今日はここまで。

 

12時に昨夜以来の食事。

午後も読書と調べ物。

17時半から入浴。

寒い一日だったのでめっちゃ気持ち良かった。

18時半から夕食作り。

昨日の残り物のチーズ盛り合わせ、筋子、蓮根肉挟み、牛蒡椎茸つくね、海苔巻き味噌つくね、蕗の炒め物、玄米ご飯、けんちん蕎麦、ウォッカ梅酒ロック。

良く飲み良く食べた。

後片付けを済ませたら営業終了。

読書と調べ物をすることに。

 

歩数計は4551。

充実した一日だった。