オートファジー1454日目と畑と藍建て④と小栗上野介⑤

2025/9/1月曜日

4時15分に起床し畑に行く準備。

4時40分に便意を催しトイレへ。

寸止めされたので読書と調べ物。

昨日に引き続き星亮一著「小栗上野介」

忠順は対馬公の案内で島を歩いてみた。
島は山が険しく田畑はごく僅か。
宗家は対馬島主としてここに君臨してきた家柄。
朝鮮の釜山に倭館を置き役人を常駐。
朝鮮貿易を独占。
対馬からは銅や錫、染料などを輸出。
朝鮮からは木綿を持ち帰り本土に売り捌く。
対馬藩は赤字と主張したが年間二十万両近い利益を上げた時期もある。
対馬公の案内で歴代藩主の眠る万松院へ。
初代義智の印塔の前に立った。
義智は朝鮮出兵の先鋒を務めた秀吉麾下の武将である。
「三万人が住むこの島から文禄の役に五千人、慶長の役に二千人が動員された。戦死者も数知れず。小西行長が義父だったので何とか戦をやめさせようとしたのだが秀吉は聞く耳持たず。戦は初め怒涛の如く勝ち進んだが結局は破れ、秀吉も撤退を命じたが、それからが受難の日々であった」
と宗は語った。
「何せ十五万の兵が負け戦で引き揚げた。先ず、食い物に困る。痩せ細った兵が食い物を巡って争い、軍律など無きに等しく、そういう連中が対馬に戻ってきた。略奪は日常茶飯事で女子は山に逃げたが何人もが捕まって辱めを受けた。義智公は戦が終わるとすぐ使者を朝鮮に出し交易を求め、以来今日まで朝鮮とは友好関係を続けて参った。戦ほど酷いものはない。決して朝鮮と争ってはならぬ。義智はそう言い残した」
と対馬公は苦渋に満ちた表情で語った。
対馬公は朝鮮の損害も語った。
前後七年間に及ぶこの戦で千里の国土は荒廃し百姓は種を蒔く事も出来ず多くの者が餓死。

老弱は溝に転がされ、壮者は盗賊となって彷徨い、遂には父子相喰見、死人が累々と散乱したという。

忠順は翌日、佐須浜に馬を駆けた。
遥か彼方に朝鮮の島影が見えた。
蒙古襲来の時、この浜に蒙古の大軍が押し寄せた。
島主は二代助国で助国は一族郎党八十余騎を゙率い浜に向かい小舟を出して退去を命じた。
「ところが蒙古の船から雨霰と矢を射掛けられ、こちらも奮戦したが多勢に無勢、助国初め重臣皆討死した。戦をしてはならぬが、いざとなれば我々は助国に立ち戻る覚悟も出来ておる」と対馬公は語った。
ビリレフとの第二回、第三回の会談も進展なし。
ロシア兵は忠順が姿を見せると威嚇するように発砲。
屈辱の日々だった。

小栗が「わが国とロシアの間には友好条約がある。無断で占領する事は許されぬ」

日露和親条約（1855）
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%9C%B2%E5%92%8C%E8%A6%AA%E6%9D%A1%E7%B4%84

筒井政憲と川路聖謨がプチャーチンと交渉して締結したやつな。
箱館、下田、長崎（出島）は書いてあるか対馬は開港て書いてないから寄港しちゃだめだろ！
仮にも和親条約結んだ国が野菜と家畜も盗むとか、恥を知れ！恥を！
ちなみに、ビリレフが対馬に居座った文久元年は1861年。

条約が結ばれてから5年以上経っている。これ、条約違反だけれど、罰則はないんかーい？

盗んだ者勝ち？

小栗が「わが国とロシアの間には友好条約がある。無断で占領する事は許されぬ」
ピリレフはせせら笑い「通商条約は商船には適用されるが軍艦には適用されない。軍艦は別だ。我々はリハチョク司令官の命令で来ている」
小栗「重ねていう。私は日本国を代表してここに来ている。対馬公との面会は認めない」
ビリレフ「ならば力づくで戦うしかない」
小栗「私を撃ち倒してからにしてほしい」
ビリレフ「オグリの事は我々もよく知っている。アメリカにも行った。その度胸は買うが、これは私と対馬公の問題である」

↑この事件に関しての論文も見つけた。

「リハチョク航海日誌から読み解く対馬事件」
「外交問題を起こさない限り」て書いてあるけれど、島民に対し大砲をぶっ放し6名も死なせた罪は深刻な外交問題やろ。
対馬事件、或いはポサドニック号事件と言うらしい。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E8%BB%8D%E8%89%A6%E5%AF%BE%E9%A6%AC%E5%8D%A0%E9%A0%98%E4%BA%8B%E4%BB%B6
①ロシア兵は対馬藩の警備兵・松村安五郎を射殺。
②郷士2名を捕虜として拉致。
③番所を襲撃し武器を強奪し、数人の住民を拉致し7頭の牛を奪う。
④翌日、水兵100人（！）を派遣し大船越の村で略奪。