2025/7/8火曜日
4時に起床し皆の朝食と長女のお弁当のおかず作り。
5時過ぎに畑へ。

収穫したあと水やり。
6時半に帰宅後、シャワーと洗濯。
8時半から読書と調べ物。
昨日に引き続き、吉村昭著「夜明けの雷鳴〜医師高松凌雲」
不意に銃声が聞こえてきた。
箱館の町に官軍が侵入。
榎本軍は敗退。
凌雲達は一室に集まり、ロシア領事に保護を依頼する事に。
凌雲は分院の高龍寺が気になり向かった。すると、病棟の入り口に病室から運んだ畳が幾重にも立てかけてある。
明らかに官軍の侵入を阻止する防塁である。
少しでも抵抗の気配を見せれば官軍の兵により全員殺害される。
凌雲は説明し、畳を元に戻させた。
本院内に戻り食事を取ろうとしたその時、官軍が来た。
建物に踏み込み凌雲達に銃口を向けた。
何処の隊の者か、と聞かれ、凌雲は私達は医者で、ここは病院だ、と返答。
そして、患者達は負傷者で寝台に臥せっている。
快癒するまで助命して頂きたい、と立ちはだかった。
そのうち、後ろから采配のような小旗を手にした32,3歳の男が現れ、言った。
「貴殿の言われる事は良くわかった。傷病者は必ず助命する。皆、お国の民であり、天子様はみだりな殺戮を禁じている。まして、傷病者とあれば尚更である。」
凌雲は長身の男に御礼の言葉を言い、
「傷病者の助命をお約束下さった上は、病んでも傷ついてもいない我らを法に従って始末なされよ。医者であっても賊に変わりなく撃つなり斬るなりなさってください。死の覚悟はしております」
と続けた。
薩州隊の山下喜次郎と名乗った男は
「傷病者の助命を約束したのに貴殿達を殺害しては何の意味もない。もしも。貴殿達の命を奪えば、傷病者は治療を受けられず、死ぬ者も出るだろう。今後は一層彼らの治療に努め、一日も早く快癒させるように。それは傷病者の為だけでなくお国のためでもある」
と返した。
山下は
「今日より当病院に番兵を置くべきではあるが人手が足らぬので貴殿達を信じ当病院の事は全て一任する。貴殿達を始め入院者の外出は一切禁じる。もしも不足の物があった折には我が隊に申し出るように」
と命じ山下の諒解を得た上で門に「薩州隊改め 箱館病院」と書いた板を打ち付けた。
日没を迎えた頃、ロシア領事の元に向かったまま行方が知れなかった小野がただならぬ姿で戻って来た。
ロシア領事館へ行き、領事に会い、戻る途中、官軍の兵に取り囲まれた。
何者かと問われ病院掛けだと答えると、武家の髷をしている小野を賊だと言って兵たちが荒々しく殴り掛かり近くの八幡社に鳥居に縛り付け、兵が鞭で顔面を始め手当たり次第に打ち、小野は意識を失った。
↑随分手の込んだ事を。
ここは、一思いに゙刀で斬ったり銃で撃ったりしないのな。
暫くしてアイヌの男が縄を解いて家に連れ帰り介抱してくれた。
小野が病院に戻らねば、と言うと再び難に遭うのを危惧した男がアツシを貸してくれた。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%A5%E3%82%B7
小野が難に遭った事に凌雲は分院の高龍寺の事が心配になった。
門の方で人声がし、出ると、町の者らしい男達が二人の血に染まった者をそれぞれ戸板に載せて病院の入口から入ってくる。
その後から、分院の高龍寺に収容していた傷病者達が男達に腕を抱えられたり長い杖を突いて続いている。
蓮沼と伊東が彼らを講堂に招き、凌雲も入った。
入口にざんばら髪の男が町の者に付添われて姿を見せ足をふらつかせながら凌雲に近づいてきた。
委員の赤城だった。
「何事だ。いかがいたした」
凌雲は赤城に視線を据えた。
講堂の床に戸板がおろされて傷病者達が腰を下ろし、身を横たえている者も居る。
「残念です。木下殿は斬り殺されました」赤城の眼はうつろだった。
「殺された?」凌雲は眼を大きく見開いた。
赤城が唇を噛み締めながら掠れた声で説明。
夕刻近くなって山門から入ってきた2, 30人の官軍の兵が高龍寺の寺内を探り、分院に充てられている建物に踏み込んで来た。手にした旗その他で松前、津軽両藩の者であるのを知った。
病院掛補佐の木下が彼らの前に進み出て箱館病院の分院である事を告げ、ロシア領事より保護の確約を受けているので、傷病者を助命して欲しい、と懇願。
しかし、兵たちはいきり立ち木下の言葉に耳を貸そうとしない。
松前、津軽両藩兵は、昨年十月に鷲ノ木に上陸した榎本軍の攻撃を受けて敗走。
追われて津軽海峡を渡り、青森に逃れた。彼らの榎本軍に対する恨みは大きく、殊に松前藩の者達は、藩地を奪われ藩主と共に津軽に逃れ、その後、藩主が死亡した事もあって、激しい報復の念を抱き官軍に参加。
彼らは、殺せ、殺せと叫び合い、松前藩の者が木下に斬りつけ、それがきっかけで他の者達も木下の体に刀を叩きつけた。
更に赤城を突き倒して縛り上げ、その動きに傷病者達は恐れ慄き、重傷者は寝台から床に転がり落ち、軽傷病者達は病室の壁に背を貼り付けた。
「賊、賊」と叫びながら兵達が病室になだれ込み、傷病者達に刀を振るった。
たちまち病室に血が飛び散り、十数名の傷病者達が斬殺された。
更に兵達は、病室に火を放って喚声を上げ引揚げて行った。
↑狂人集団やな。
たちまち火が広がり、歩行も叶わぬ傷病者達は迫ってくる火に悲鳴を上げた。
それを耳にした附近の町の者達が駆け付け彼らを救い出し、赤城の縄も解いて連れ出した。
火勢は強く救い出せぬ重傷病者も居たという。
↑哀悼。
凌雲は呆然とした。
「まことにむごいことです」
「御武家などと言いながら人間のすることではありません」
↑悪魔がやった。
「鬼です」
講堂に居る町の男達は憤りに満ちた声で口々に言った。
凌雲の胸に激しい怒りが突き上げた。
戦う力を失った病んだ者達を容赦なく殺害した兵達は、町の男達が言うように人間ではない。
↑悪魔なのであった。
木下を始め斬り殺され焼死した傷病者達の無念が思われ哀れだった。
↑1868年5月11日の出来事。
悪魔によるイベントだった。
目的は何だったのだろう。
記録によるとこの事件で犠牲になった者は会津藩出身者が多かったそうだ。
今日はここまで。
11時半から昼食作り。
夫と長男と孫達にはつけ麺を用意。
自分は納豆ご飯と味噌汁でお腹を満たした。
15時過ぎに長男達が病院へ面会に向かった後、夕食作り。

もやしサラダ、鱈のムニエル、ポークチャップ、味噌汁、ローストナッツ、ウォッカ梅酒ロック、残り物達。
17時半から夕食。
良く呑み良く食べた。
お皿は長男が洗ってくれた。
ありがたく、読書と調べ物の続きをする事に。
歩数計は9651。
充実した一日だった。